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中村 友幸 氏 |
【選考理由】
中村友幸氏は、メシマコブやヤマブシタケ、冬虫夏草など、多くの食用および薬用きのこの培養菌糸体を用いて、大学等の基礎系、医療系研究機関との共同研究を推進し、抗腫瘍活性、抗酸化活性、抗アレルギー作用、ヒスタミン遊離抑制作用、抗ウイルス作用などの機能性研究を進展させました。
とりわけ、各種菌糸体の生産技術法の確立とともに、高い抗酸化活性を示すメシマコブの発見、メシマコブ等の菌糸体の熱水抽出物によるインフルエンザワクチンにおける粘膜IgAを高めるアジュバント作用の発見、およびiPS細胞の誘導効率化などの研究は高く評価できます。
さらに、SDGsという観点から、飲料の副産物であるコーヒー抽出滓を用い、きのこ栽培の培養基としての利活用について取り組み、栽培の実用化とともに、得られた子実体の機能性成分の解明や有効な成分の増収化を実現しました。研究成果については、関連特許を多数申請しており、今後、食品や化粧品分野への活用とともに、薬学・医学分野における応用が期待されます。
また、きのこの普及・啓蒙活動のほか、環境保全への取り組みなど、社会活動を幅広く行っています。
今後、蓄積された研究や社会活動のネットワークを広げ、研究面と普及面からのきのこ産業へのさらなる寄与と貢献が期待されます。
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池辺 稲生 氏 |
【選考理由】
池辺稲生氏は、57年の長きにわたり乾シイタケ栽培に従事し、全国乾椎茸品評会において農林大臣賞を6回、林野庁長官賞を14回受賞されるなど、全国でも屈指の高品質な冬枕りの名人として知られています。
栽培地は大分県由布市の標高400mにあり、自然ほだ場において、シイタケが数cmに生育した状態で形質を見極め、きのこが乾いている状態で薄い袋を被せ、また収穫後は1時間ほど天日乾燥させてから乾燥機に入れるなどの栽培技術が、高品質な冬魔生産するポイントになっています。
なお、大分県椎茸農業協同組合の理事時代には、入札参加業者との協議、行政への働きかけ、大分県での全国品評会の開催、「西日本乾しいたけふるさと連合協議会」の設立などに取り組み、風評被害により下落した乾シイタケ価格の回復や産地の結束に尽力しました。
海外を含め、県内外から多くの視察者や新規参入者の研修を受け入れ、栽培技術の普及や後継者育成を行い、奥様との二人三脚でメディア取材にも取り組むなど、日本一の産地である大分県のシイタケ生産の振興を牽引してきました。
こうした功績は、藍綬褒章や瑞宝単光賞、大分県知事賞詞の授与、および森の名手・名人[国土緑化推進機構]の認定等につながっており、今後のさらなるご活躍が期待されます。
